ノベルティグッズに込めたメッセージ - インハウスデザイナーのお仕事 -
ちょっとしたご挨拶や展示会で、お客さまやお取引先さまにお渡しする企業オリジナルのノベルティグッズ。
アイルでも年末のご挨拶の時期に、ご関係先に新年の卓上カレンダーをお配りしています。
これがとっても好評なんです!そして今年は、新しいメンバーがリニューアルを手がけました。
さらに、その他のグッズも刷新。
また、協賛イベントで来場者に配布し大好評だったノベルティを、通常時もお配りできるようにしました。
これら全て、アイルのデザイナーが制作しているんです!
会社の理念や社外の方々に伝えたい思いを形にし、社員と関係先の方々とのつながりを深めるきっかけになるように。
ご挨拶の場に笑顔や感動が生まれるように。
後日も余韻や、アイルという会社との出会いを思い出していただけるアイテムになるように。
ノベルティというと、少し遊び心の延長のような、軽い響きにも聞こえるかもしれませんが、アイテムに落とし込むからこそ伝えられる企業メッセ―ジがあり、会社と社外の方々をつなぐ大きな役割を担っていると考えています。
今回は一つひとつのアイテムについて、込められた思いをアイルのデザイナーに語ってもらいました!
卓上カレンダー
まずは、例年お客さま・お取引先さまにお配りしている卓上カレンダーから。
数年間変わらなかったデザインを、2025年版でリニューアル!担当したデザイナーから話を聞きました。
Interview
担当デザイナー 桐原(きりはら) (アイル 経営企画部 クリエイティブチーム)
4年ぶりとなる卓上カレンダーデザイン刷新を任せていただきました。
まずは現状を把握するために営業の方々にアンケートを実施したところ、日付欄の大きさや数字の見やすさ、1か月前と2か月先まで同時に確認できる合点など、“今までのものがとても喜ばれている”という結果でした。
それでも今回は、中身の機能性や使いやすさはそのままに、その上でデザインの変更をさせていただきました。
< 中身の一部 >
2025年は巳(へび)年で、成長と再生、変革の年です。
表紙は、アイルの主力サービス(業務管理システム アラジンシリーズ)カラーのグラデーションで変化の様子やロゴの炎のイメージを表現しました。
変革ということで従来とは異なるテイストのデザインを採用しています。
中身は表紙の狙いに合わせました。季節を感じる月ごとの日本の伝統色を使用しています。
以前から大きめで好評だった日付欄はより大きくし、書き込みしやすくしています。
また、以前のアイルカレンダーは曜日が英語で日曜始まりでしたが、分かりやすい漢字にし、希望の多かった月曜始まりに変更しました。
アイルの主力サービスのコンセプトが「働くを支えるシステム」であるため、顧客企業さまの“働く”に寄り添う必要があると考えました。
卓上カレンダーにおいては、豊かな生活の一つとして、忙しい仕事の中でも季節を感じる色を添えたいという思いで制作しました。
一番悩んだ点は、卓上カレンダーにこのこだわりは本当に必要か?受け入れられるのか?という点でした。
実は他にも、単にロゴを配置してカタログ表紙に似せたシンプルで無難なパターンも作っていました。
しかし、さまざまな調整を重ね、最終的にできあがった今回のデザインを共有した際に、社内の皆さんにも制作の背景に共感いただき、お客さまにも伝えたいと表紙裏にメッセージとして付け加えることになったときは、最後までこだわりをもって制作してよかったと思いました。
アイルの“人”は情熱や信頼、サポートの安心感がある。働くを支えるシステムであり、働くを支える“人”でもある。
その一員として、手渡される瞬間や飾られたときを想像して制作しました。
お客さまにとって、アイルの卓上カレンダーを通じて少しでも心が動く瞬間があると嬉しいです。
ーありがとうございます!
従来は白地のデザインだったアイルカレンダー。これまでの利便性に加え、彩りや季節感も加えた新カレンダー、いかがでしょうか?
筆者はこのさり気ない遊びとこだわりに感動しました。お手元に渡った方の1年間を鮮やかに彩りますように…!
スポーツタオル
続いて、こちらもお客さまや取引先さま、展示会などでお配りしているスポーツタオルのご紹介です。
ここからは、全て担当デザイナーの大國(おおくに)(アイル 経営企画部 クリエイティブチーム)に話を聞きました!
Interview
担当デザイナー 大國(おおくに) (アイル 経営企画部 クリエイティブチーム)
展示会でお配りすることも想定して制作したため、アイルのメインコーポレートカラーである“アイルピンク”を使用し、インパクトあるデザインにしています。
ただ、タオルには使用できるインクカラーが決まっていることもあり、印刷会社の協力も得ながら理想に近い出力結果になるよう、何度も色の調整を重ねて突き詰めていきました。しかし想定と結果が上手くかみ合わず、かなり苦労しました。
何度か試作品の失敗も経ましたが、長く使ってもらえるようなデザインに無事完成させることができ、納得いく仕上がり結果になるようお付き合いいただいた皆さまに感謝しています!
ーありがとうございます!
ハンドタオル
続いて、こちらもお客さまや取引先さま、展示会などでお配りしているハンドタオルです!
Interview
ハンドタオルは、先ほどのスポーツタオルのインパクト重視のデザインとは異なり、「若い方から年配の方まで、性別にかかわらず受け取ることに躊躇なく、普段使いもできるデザイン」という狙いで制作しました。
全体的な印象が派手にならないようにし、四つ折りにすることを考慮して折り畳んだ際にロゴかキャッチコピーのどちらかは必ず表面に出るように配置しています。
< デザイン案の一部 >
ーありがとうございます!
スポーツタオルは小さいお子さまがいらっしゃる方や、スポーツ・サウナを好まれる方にはお喜びいただいています!
ハンドタオルはお渡しする側も持ち運びやすく、年末のご挨拶の際など、担当者がカレンダーとともに持ち歩く際も便利です。日常に溶け込みやすいカラーでお使いいただきやすいかと思います♪
どちらも記事には載せきれないくらいの案を経て、関係者の意見を取り入れブラッシュアップされたものが完成品になりました!
ネックストラップ
ここからは、協賛団体さまとのコラボレーショングッズのご紹介です。当社と協賛団体さまのそれぞれのカラーを出し、コラボならではの“らしさ”を伝えるのは至難の業です。
まずは、協賛イベントの入場パスを封入するために制作したネックストラップ。
イベントを盛り上げるだけでなく、社内でもアイルメンバーが社員証ケースとして首から下げています!
リバーシブルデザインで、首から下げて揺れることを前提に、どちらの面が見えても格好良く、両社のロゴが見えるデザインに仕上がっています。
Interview
こちらは、アイルが協賛する、一般社団法人WITH ALS主催のイベントに、メインスポンサーとして参加した際に制作したグッズで、2024年11月開催時も追加生産して来場者の皆さまにお配りしました!
※協賛背景などはこちら
アイルとしてのスタンスをどう表現するか、どのようなデザインを制作すれば協賛イベントにふさわしいグッズになるか?
ということをストラップの太さの選定に始まりデザインまで、納得いくまで深堀りしました。
キャッチコピーの文字は主催の武藤将胤さんの視線入力で書き下ろしていただきました!
お願いした翌日にはお送りいただいたことで、主催社さまの熱量を感じたことをよく覚えています。
そこに自分自身もかなり刺激を受け、そのデザインをいかすにはどうしたら良いかを何案も考えた中から絞り込んでいきました。
いろいろな人達が本気でイベントに向き合い、私もそれに応える形で良いデザインを作ることができ、結果的に社内のメンバーにも使ってもらえる、非常に良い循環が生まれたクリエイティブでした。
< デザイン案の一部 >
ーありがとうございます!
イベントで来場者の方が一斉に首から下げることで、会場の一体感を上げ、映像や写真に残った際もインパクトが残るよう工夫していただきました。
ロゴの視認性を保ちつつも首に掛けた際の違和感や重量感を最小限にし、耐久性も考慮したうえで、幅2センチに仕上げています!
クリアファイル
最後が、新作のクリアファイル。上記イベントの2024年開催時(11月)に、ご来場の皆さまにお配りしました。
イベントの入場時にお配りすると、その他に配布するリーフレットなどを入れて持ち歩いていただきやすく、ご帰宅後もイベントの余韻を感じていただける、利便性と保存性を兼ね備えたグッズです。
社内でも商談時やセミナー開催時などに活用しやすく、お渡し時にこの団体さまへの協賛に込めたアイルの思いを合わせてお伝えすることができます。
Interview
ストラップのデザインと同じく、「イベント以外でも使い勝手がよく、アイルとWITH ALSのブランドが感じられるもの」という観点から、シンプルで使いやすく、余計な装飾は入れない方向性で検討しました。
デザイン面では、グラデーションは「MOVE FES.」のメインビジュアルから同系色をピックアップして、オリジナルのビジュアルを作成。
イベントのコンセプトである「KEEP MOVING」を全体にまたがるようにし、文字内にそれぞれの背景色を持ってくることで、「お互いの色を補完し合う」関係性を表現しています。
ファイル自体は表面がアイル、裏面がWITH ALSとなっていますが、「KEEP MOVING」はWITH ALS側から読むようにしているため、コラボ感の演出だけでなく、どちらのデザインにも目がいくような仕掛けにしています。
< デザイン案の一部 >
ーありがとうございます!
以上、アイルのノベルティグッズと、デザイナーが込めた思いをご紹介しました。
筆者も広報として意見を出させていただくような場面もあり、出してもらった案にあれこれ意見をすることは簡単で、楽しくもあるのですが、ゼロから生み出す発想力とセンスはプロならではだと、常々感動しています!
企業ノベルティは、ただコンセプトに沿ったデザインを使用するだけではなく、受け取った方へお伝えしたいメッセージや、使用する社内のメンバーの使いやすさ、お渡しした後からずっと時間が経っても、利用していただきやすく、当社のことを思い出していただけるようなデザイン性を考慮して制作しています。
企業が社会に伝えたいメッセージを、デザインに落とし込んで多くの人に感動を与えるお仕事。
奥が深いデザインの世界、そしてインハウスデザイナーだからこそのおもしろさも伝われば幸いです!